「ユーザーを虜にするUI/UXとは!? -実務と学術の両面的視点から徹底解析!!-」に参加してきました

はじめて勉強会のエントリーを書いてみようと思います。幾分個人の勝手な解釈も含まれていることと思いますがご容赦を。。

参加してきた勉強会は、2013/01/28にレバレジーズ株式会社本社にて開催された「ユーザーを虜にするUI/UXとは!? -実務と学術の両面的視点から徹底解析!!-」です。
サブタイトルにもある通り、前半は実務(企業)サイドから、後半は学術サイドからの講演という構成。そのあとで、4人によるパネルディスカッションが行われた。

スライドのデザインがそれぞれ企業/アカデミックらしくて個人的におもしろかった。


つくるべきものをつくる

藤井幹大氏・坂田晃一氏(株式会社ジェネシックス)


まずおもしろかったのが、「なにをつくるべきか?」「よいものとはなにか?」という答えを出すために「UXデザイン定義書」というものを作成し運用しているという話だ。中身としては、

  • 課題
  • ゴール
  • ユーザモデル
  • UXデザイン定義ステートメント

の4点を仮説項目として挙げそれをチーム全体で共有することで、「精度の高い仮説と継続的コンセンサス」を実現できるというものだ。コンセンサスという言葉の意味を知らなかったのですが、ここでは個々人の意識の統一という意味であってると思います。
ではこれで本当によいデザインがつくれるのかというと、、、答えは「ノー」という(orz)。なぜならデザインはどんなに考え抜いてもそれはあくまで仮説でしかないからとのこと(納得!)。ではどうするべきか、、、リーンスタートアップの考えを参考にしたという。
リーンスタートアップ。さすがに言葉は知っているけれど細かなことは正直知らなかった。なので大雑把にしか理解できなかったのですが、「仮説→検証・計測」を素早く繰り返すことで、さきほどの「あくまで仮説にすぎない」ものの精度をもっと高めていく、ということだと思う。「仮説→検証・計測」を素早く繰り返す上で実際に行われることとして、プロトタイプの作成(実際に動くものをつくることが大事でペーパプロトタイプは推していなかった)、ツールを導入してのユーザの行動の計測などの話をされていました。
他、個人的に心に響いた話としては、

  • エンジニアはプロトタイプの作成だけでなく、計測などのフィードバックサイクルにも関わっていけるようにならないといけない
  • 上の立場の人間の意見にどうしても納得いかないときは、自ら仮説を立ててそれを計測して示してやればいい

といったものです。ここらへんは非常に興味深いし、もっと自分でもやっていきたいと思いました。


(すいません、タイトルのメモ忘れました)

五十嵐悠紀氏(日本学術振興会 特別研究員PD(筑波大学))

次は少し趣向が変わって手芸の話。手芸とUI/UX!? 少し戸惑いがあったが、内容としては「オリジナルの手芸作品をつくるのにおいて、型紙をつくるのは大変難しい。そこで"インタラクティブなぬいぐるみデザインシステム"というのものを作った。これまでは限られた人にしかできなかったようなことを、このシステムを用いることで誰もが簡単にオリジナルの手芸作品の設計をできるようになった」というもの。デモもありましたのでわかりやすかったです。で、そういったシステムを使いやすいものにするUIだったりを(ぬいぐるみなので3次元での情報を表示するところもありましたが難しいですよね)ワークショップなどを通じて研究しているといるとのことですが、具体的にどういった工夫をそのUI設計に適応しているのかなどの話をもっと聞きたかったです。


“UI/UX”?~恥をかかないための15分UXD入門

安藤昌也氏(千葉工業大学 デザイン科学科 准教授)


安藤氏が今回の講演で一番時間を費やしたのが、先日twitterで話題になっていた(少なくとも私のTL上ではw)「UIの改悪がUXを改善させる場合」について。真意はわかりませんが、「もっと各々が本当に良いUIとは、UXとは」を突き詰めてほしいということだと思います。他ご自身もおっしゃっていたように説教臭い内容がいくつかあって、たとえばUXとUXDの違いをしっかり理解してほしいという話もされていました。

  • UX = 個人的な体験
  • UXD = どんな経験をしてもらうかの計画をすること、またその生産(量産)の仕組みをつくること

他面白かったのはUXを4つの時間的区分に分けていた話。「予測的UX」「一時的UX」「エピソード的UX」「累積的UX」。確かに、学問としてUI/UXを掘り下げるのもおもしろい話がたくさんあったり、有用なものがあるんだろうなと思えました。


パネルディスカッション

これについては個人的に印象に残っている話をいくつか書いていこうと思います。

  • Twitterで自社サービスについてつぶやいてくれたユーザをみつけたとき、そのユーザのつぶやきを一番古いものからみていって「どんな人生歩んできた人なのか」を調べ、そこからグルーピングしたりもした
  • 良いUIをつくるには、悪いUIをみつけることが大事だ。なぜならそこには「こうあるべきだ」というものが存在していたから。だからその悪いUIはなぜ悪いUIなのかを調べることで良いUIができる
  • 悪いUIをみかけたらすぐにシャッターをきってEvernoteにためている


以上になります。最後に余談。

この手の勉強会の開催はこういうこと指摘されるから大変だww